ライトフィッシング

釣りも人生も軽装備で

死闘 荒川でサクラマスを追いかける(前編)

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ぼくは、まけた。


つい数日前の出来事。



僕は、ゴールデンウィーク初日4月28日金曜日(開校記念日だったので、)



の早朝6時ごろ、バックパックに釣り具を押し込め、愛用のビアンキロードバイクの事です)に乗り、家の近くの荒川へと向かっていた。




去年もこの時期にたくさんのいい思い出をつくることができた。



今年も魚が遊んでくれるだろうとわくわくな気持ちだった。



風がなんとも気持ちいいこの季節、僕の一番好きな時期でもある。本来なら渓流に行きたいのだが、いちを高3なので一日中釣りをするのは気が引ける。



わりと最近は勉強の方法を掴みつつあり、今までほど苦で無くなったが、やはり釣りバカは休みの日に勉強だけというのは我慢が出来ないみたいだ。



この日は、同じクラスの釣りをそんなはやった事がないやつを連れてきていたため、飽きないように事前に釣っておいたヤマメを解凍し塩焼きができる準備は完了済みだ。



彼には絶対釣らせてやるから任せろと言ったため、嬉しそうにしていた。



道中では、モテない男子高校生のどうでもいい話で盛り上がっていると目的地に到着した。



今回入ったポイントは大きく分けて二つのポイントがある。



最初は下流にある一つ目の有望ポイントから始めた。



僕はエサ釣りで彼は浮子をルアー竿に付け投げ釣りタイプだった。



エサはその場で採集できる川虫で自前では持ってこなかった。



仕掛けを作っている間に彼に薪採集(のちの焚火のため)と川虫取りを頼んだのだが、



川虫が石をひっくり返してもさらに返してもいない。



去年の同時期はどの石の裏に2.3匹はいたクロカワ虫(サクラマス狙いの主要エサ)が取れない。



15分は過ぎたのではないか。



やっと一匹取れて釣りはなんとかできそうだ。




やり方、投げ方を一通り教えて、彼に竿を渡した。




僕は、延べ竿(リールがついていない竿)なので仕掛け作りに多少時間がかかる。




そして、ふたりで釣りを始めた。



対岸ではルアーマン(ここでは、主にバス釣り専門の釣り人を指す)が来ては消え、来ては消えを繰り返し、同じポイントばかりを攻めている。



なぜか知らないが僕の経験上、6月に入らないとこの場所ではバスは釣れない。



しかし、丁度その時期は田植えの時期と重なる為、川がかなり濁り、藻が増え釣りづらくなる。



台風後でないとまともな釣りは出来ないと考えていた方がいいだろう。




1時間やっても反応がないので、焚火の準備を彼に任せて上流を攻めてくることにした。



上流のポイントは堰堤かであり水深が深く5メーターほどあり、いかにも大物が好みそうな流れがぶつかり合い、力強い流れである。




道中にクロカワ虫を一匹採取して、激流に仕掛けを放り込んだ。




仕掛けを流れに馴染ませることを意識して、流し流速がベストマッチしたとき、愛竿であり剛竿のダイワ璧羅が大きく弧を描いた、すかさず応戦するもバラシてしまった。




再度クロカワ虫を捕まえ、同じ流れを流すこと4投。




先ほどとは比べ物にならないほどの強い引きが、僕の全身に伝わった。




数秒耐えたが、切れてしまった。




一体さっきのは何なのだ?




この悔しさが、釣り人を再びこの場に連れてきてしまうことは無論いうまでもないだろう。




<後編につづく>